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柔軟剤の香水を作る。ボールド(ピンク)の香りを合成香料で再現調香してみた

柔軟剤の香水を作る。ボールド(ピンク)の香りを合成香料で再現調香してみた

結局「柔軟剤や洗剤の匂いが一番いい匂い」という人、結構居るんじゃないでしょうか?
かくいう私もその一人です✨

「香水はなんかつけたくないけど、いい匂いは一日中まとっていたい!」
そんな願望をかなえるべく、今回は家にあった ボールド プレミアムブロッサム の香りを、合成香料の調香で再現していきたいと思います!


結論:レシピ

RECIPE

ボールド(ピンク)風 再現レシピ

まずはじめに結論、今回のレシピです。

※比率の()内の数字は、洗剤原液の再現ではなく、日常で纏うための香りを作りたい場合のおすすめ値になります。

役割香料名比率理由・効果
骨格Hedione20拡散性と清潔なフローラル感
Iso E Super15香りの厚みと清潔なウッディ感
清潔感Dihydromyrcenol10(5)洗剤特有の「洗いたて」の瑞々しさ
D-Limonene5明るいシトラスのトップ
Aldehyde C-101弾けるような清潔な石鹸の輝き
甘さAldehyde C-145ボールドらしい桃・アンズ系の甘さ
Verdox3リンゴのようなフレッシュな甘さ
華やかさFlorol8スズラン系の清潔なフローラル
PEA7柔らかなローズ感
Benzyl Acetate4ジャスミン的な華やかさ
Beta Damascone(10%)2(1)高級感のあるフルーティフローラル
柔軟性Galaxolide15「柔らかい布」の香りの核
Ethylene Brassylate5奥行きのあるムスク感
隠し味Ethyl Maltol0.5お菓子のような可愛らしい甘さ
INFO

公式データを「カンニング」

上記レシピの参考にしたのは、本家のP&G様が公開している成分表です。
基本的に日本の製品は、製品裏の成分表を見ても『香料』と書いているだけでその中身までは公開してくれないのですが、海外に拠点を持つグローバル企業などはネット上で公開していることが多くあります。

今回は見事に公開されていましたので、ばっちりカンニングから始めていきました!

👉 P&G成分公開データ(ボールド プレミアムブロッサム)


01. ベース・骨格編

01. ベース・骨格編:柔軟剤の土台作り
01

01. ベース・骨格編:柔軟剤の土台作り

洗剤や柔軟剤の香りに、必ずといっていいほど入っている「あの匂い」の正体を分解していきます。

MUSK

清潔感の正体は?:Galaxolide

日本で愛される「洗いたての洗濯物の匂い」。その核となるのが ムスク香料 です。


Galaxolideイメージ

Galaxolide(ガラキソライド) は単に甘いだけでなく、コットンやふかふかのタオルの質感そのものを香りに変換したような、清潔で持続性の高いホワイトムスクの代表格。柔軟剤の成分表でも、実質的な主役を張っていることが非常に多い成分です。


嫌いな人はほぼいない!これをまずはドバドバ入れていきます!✨


Galaxolide(ガラキソライド)の詳細図鑑へ

AIRY

「重くない、ふわっと感」の秘密:Hedione

ボールドを嗅いだときに香りというより「軽さ」を感じます。この浮遊感を出すために、 Hedione(ヘディオン) がかなりの比率で配合されているとにらみました。


Hedioneイメージ

ジャスミン的な透明感とともに、香りの「風通し」を良くする拡散性が特徴です。他の重い香料を馴染ませつつ、空間にふんわりと広げる「風」の役割を果たします。


意外にも、今回1番たくさん使った香料がこのHedioneでした!

Hedione(ヘディオン)の詳細図鑑へ

FRAME

バラバラの香りを一つにまとめる「骨格」:Iso E Super

ムスクで柔らかさを出し、ヘディオンで広がりを作っても、それだけでは香りが奔放すぎてバラバラに霧散してしまいます。そこで投入するのが Iso E Super です。


Iso E Superイメージ

「これが入っていない現代香水を探すほうが難しい」と言われるほど重要なこの成分は、強く主張はしませんが、ベルベットのような滑らかな「厚み」を与えます。見えない骨組みとなって、各パーツを一つの作品としてまとめ上げる、まさに骨格といえる香料です。



Iso E Super(イソEスーパー)の詳細図鑑へ

CLEAN

「洗剤らしさ」の起爆剤:Dihydromyrcenol

  柔軟剤のあの「パキッとした清潔感」を決定づけるのが、この Dihydromyrcenol です。  
      Dihydromyrcenolイメージ


金属的なライムのような香りで、さまざまな香りのトップノートの鋭さを担います。  
  ベースの骨格にこれを組み込むことで、単なるムスクやウッディの集まりが、一気に「洗剤・柔軟剤の香り」へと昇華されます。シトラスフローラルな瑞々しさを持ち、香りの立ち上がりから「洗いたて」の印象を強烈にアピールする、欠かせない成分です。  
 
      Dihydromyrcenol(ジヒドロミルセノール)の詳細図鑑へ  


 
さあ、これで洗剤の骨格はできあがりました!
現状は、 シンプルな洗剤の香り といったところ。ここから主役となるお花や甘さを追加していきましょう!


02. ミドル・主役編

主役!お花とフルーツを盛りに盛る!
02

主役!お花とフルーツを盛りに盛る!

  ボールド(ピンク)の最大の特徴は、あの「可愛らしくも力強いフローラルフルーティ」です。骨格の上に、色鮮やかな素材を乗せていきましょう。

FLORAL

清潔な白い花々:Florol / PEA / Benzyl Acetate

  ボールドの華やかさを支えるのは、単一の花ではなく、計算されたホワイトフローラルの調和です。  
   フローラル香料イメージ  
  Florol: 非常に清潔で瑞々しいスズラン(ミュゲ)の香り。洗剤の「綺麗なお姉さん感」を出すなら必須です。 
  PEA: 柔らかく、少し蜜のような甘さを含んだローズノート。香りをマイルドにまとめます。 
  Benzyl Acetate: ジャスミン特有の華やかさと、少しのフルーツ感を付与。全体の明度をグッと引き上げます。 

  フローラル系の香料図鑑へ

FRUITY

ボールドらしい甘酸っぱさ:Aldehyde C-14 / Verdox

  あの「どこかピンク色を連想させる甘さ」は、ピーチとアップルの組み合わせで表現できます。  
   フルーツ香料イメージ  
  Aldehyde C-14: 桃やアンズを思わせる、クリーミーで可愛らしい甘さ。ボールドのアイデンティティに近い香りです。 
  Verdox: フレッシュな青リンゴ感。甘くなりすぎないよう、キレのあるフルーツの酸味をプラスします。 

HIGHLIGHT

【重要】1滴で化ける:Beta Damascone

  今回の調香で、ボールド特有の ほんの少しですが「少し毒々しいほど濃密な花感」 を出すためのキーマンがこれです。  
   Beta Damasconeイメージ  
  Beta Damasconeは、ドライフルーツやベリーのような重厚なフルーティフローラルですが、扱いが非常にデリケート。  

  極微量(10%希釈をさらに1滴など)入れると、安っぽさが消えて一気に「高級な柔軟剤」の深みが出ます。ただし、 入れすぎると一気に腐りかけのフルーツのようなエグみ に変わってしまうので、必ず1滴以下から試しましょう。

  Beta Damascone(ベータダマスコン)の詳細図鑑へ


03. トップ編

03. トップ編:清潔感とキレ、少しのシトラス
03

03. トップ編:清潔感とキレ、少しのシトラス

  柔軟剤のボトルを開けた瞬間の、鼻を抜けるような「洗いたて感」を演出するのがトップノートの役割です。

CITRUS

弾ける明るさ:D-Limonene

  全体を明るく持ち上げ、香りが重く沈むのを防ぐのがシトラスの役割です。  
     
  D-Limonene: オレンジの皮を剥いたときのような、フレッシュで天然感のある香り。これ単体ではすぐに消えてしまいますが、他の香料を空気に乗せて運ぶ「ブースター」のような働きをします。  
      D-Limonene(D-リモネン)の詳細図鑑へ  

SOAPY

石鹸の輝きを纏わせる:Aldehyde C-10

  「洗剤っぽさ」を「石鹸のような高級感」へと昇華させるのがアルデヒドの魔法です。  

 
  Aldehyde C-10: 1滴でも強力な、パキッとしたオレンジ様のアルデヒド香。  
  ベース編で紹介した Dihydromyrcenol の瑞々しいキレに、このC-10の 「弾けるような石鹸の輝き」 が加わることで、ボールドらしい清潔感が完成します。  

  シトラスをただの「果物」から「清潔な香り」へと変えるための、重要なアクセントです。


  Aldehyde C-10(アルデヒドC-10)の詳細図鑑へ



さて、ここまでくると香りとしてはほとんど完成といって良いところまできました!
しかし、実際にボールド原液と嗅ぎ比べてみるとなにかが足りない…?
最後に、追加すべき強烈な隠し味を紹介していきます✨


04. 隠し味編

SECRET

1滴の魔力!Ethyl Maltol

さて、清潔で華やかで少し甘い、誰もが好きな香りが出来上がりましたが、ここに最後に可愛らしさを付与するのが Ethyl Maltol です。  
   Ethyl Maltolイメージ  
  お菓子や綿あめのような焦がした砂糖の甘さを持つ香料ですが、これを極微量(0.5%以下)足すことで、ボールド特有の 「どこか食べたくなるような、チャーミングな多幸感」 が完成します。  

  隠し味のコツは、「甘い匂いがする」と気づかれるか気づかれないか、その境界線を狙うこと。入れすぎると一気に「お菓子系(グルマン)」の香水に寄ってしまうので、慎重に1滴ずつ調整しましょう!✨


  Ethyl Maltol(エチルマルトール)の詳細図鑑へ


まとめ

RESULT

さて、どんな香りになった?

完成した香水

完成した香りは、、、
海外の甘い柔軟剤を入れすぎて洗濯してしまったときのボールドピンク!
という雰囲気になりました💦

隠し味のBeta Damasconeを誤って入れすぎてしまったのが敗因かと思われます。みなさんはお気を付けくださいませ…!

それと、大事なことをひとつ。
原液の香りを再現しても普段使いのためには意味がない かもしれない、ということをお伝えしておきます。
私たちが好きな柔軟剤・洗剤の香りは、洗い終わった後の香りです。
洗濯機でガシガシ洗われて飛びやすい香料が飛んだあとの香りが好きなのであって、原液そのままの香りではは無いということですね。


もし、洗い立てのボールドの香りを再現するなら、 トップのシトラスやAldehyde C10と隠し味のBeta Damascone、Ethyl Maltolを控えめにし、その分ムスク系を増やす と近いイメージになるように思います。

柔軟剤や洗剤の香りが好きなみなさま、この記事を読んで再現してみたい!と思っていただけたら幸いです✨
当店の香料販売ページでは、 今回使った香料14種のうち11種の入った『香料15種セット』も販売しております。
ぜひ下のリンクよりちょこっと覗いてみていただけると嬉しいです!


それでは、また次回の記事でお会いしましょう! SeaPerfume でした♪

 

今回使用した香料はこちらで購入できます

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